政府の地震調査委員会は10日、定例の会合を開き、8月8日に宮崎県沖の日向灘で発生した地震の震源断層の長さは20キロ程度だったとする評価をまとめた。断層面が2~4メートルほど動いたとみられる。平田直会長(東京大名誉教授)は会合終了後の記者会見で「地震の規模からすると齟齬はない」と述べた。
日向灘の地震はマグニチュード(M)7.1。調査委によると、海側のプレートが陸側のプレートの下に沈み込む境界部が一部ずれ動き、地震が発生した。地震波や地殻変動のデータなどから、震源断層は北北東から南南西の方向に走る約20キロと判断。断層の幅は見解を示さなかった。
宮崎県では震度6弱の揺れと、約50センチの津波が観測された。津波は千葉県から鹿児島県にかけての沿岸で確認された。
地震発生地点が、南海トラフの想定震源域内にあり、気象庁は、南海トラフ巨大地震の可能性が相対的に高まったとして、初めての南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)を発表。8月15日までの1週間、地震への備えの再確認などを呼びかけた。
会合では1月の能登半島地震なども議論。周辺で地震が活発に起きる状態が続いているという。