日銀が19日発表した4~6月期の資金循環統計(速報)によると、家計が保有する金融資産の残高は6月末時点で1年前と比べて4.6%増加し、2212兆円となった。3月末時点(2186兆円)を上回り、過去最大を更新した。1月に始まった新しい少額投資非課税制度や円安進行に伴う株高の影響で、株式や投資信託の残高が増えた。
金融資産の内訳は、投資信託が27.1%増の128兆円、株式が15.6%増の301兆円となり、それぞれ過去最大だった。ただ押し上げ要因である日経平均株価は6月末時点では堅調だったが、円高や米景気不安で8月上旬に過去最大の下落幅を記録するなど不安定な値動きが続いている。
一方、現金・預金は0.8%増の1127兆円。このうち現金は2.2%減の104兆円と過去最大の下落幅だった。コロナ禍で積み増した手元の現金を物価高で使う人が増えた。
国債(短期を除く)の時価ベースでの発行残高に占める日銀の保有割合は、6月末時点で53.21%となり、3月末時点(53.25%)からわずかに減少した。