上川陽子外相が、米ニューヨークでの国連総会に合わせ、中国の王毅外相との会談を検討していることが分かった。調整が付けば、現地時間23日(日本時間24日)に実施する方向。複数の外交筋が22日、明らかにした。広東省深センで日本人学校に通う男子児童が刺殺された事件や、日中両政府が合意した日本産水産物の輸入再開などが議題になる見通しだ。
日中外相会談が実現すれば、今年7月にラオスの首都ビエンチャンで開催されて以来となる。
上川氏は男子児童の事件を踏まえ、再発防止と在留邦人の安全確保に万全を期すよう求める意向。詳細な事実関係や、動機に関わる情報提供も要請する。
東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を巡っては、国際原子力機関(IAEA)のモニタリング(監視)の下で、中国を含む参加国に海水などの試料採取を認める方針を改めて説明。水産物輸入再開を着実に実施し、早期に輸入規制を撤廃するよう働きかける。
中国は処理水を「核汚染水」と呼び、海洋放出に反対の立場を取る。