【北京共同】海上自衛隊の護衛艦「すずつき」が7月に中国領海を一時航行したことについて、艦長が正確な位置を把握せず誤って領海侵入したと日本政府が中国側に伝達したことが22日分かった。海自は重大なミスがあったとして艦長を事実上更迭した。乗員の処分も検討している。複数の日中外交筋が明らかにした。海自の能力が疑問視される事態で、日本の安全保障にとって大きな不安要因だ。
海自艦が事前に通告せず中国領海に入ったのは1954年に自衛隊を創設してから初めてだった。日本政府は対中関係への影響を避けるため、領海への誤侵入だったと中国政府に非公式に伝えた。国家安全保障局を中心に調査報告書をまとめたが、部隊運用に関わるとして公表しない方針。
防衛省は共同通信の取材に対し「運用に関することなのでコメントは差し控える」とした。