【ニューヨーク共同】日本製鉄による買収を巡り、米鉄鋼大手USスチールは23日、日鉄の森高弘副会長が全米鉄鋼労働組合(USW)に所属するUSスチール従業員に宛てた声明を公開した。買収後に雇用維持を含め「全ての法的義務を履行し、引き受ける」と強調。買収に反対するUSWが日鉄との協議に関し不正確な資料を公開しているとして「正しい内容を共有する」と説明した。
声明では「今後数十年にわたり、従業員とUSスチールを守り、成長させるというわれわれの公約は従来以上に強固だ」と指摘。買収後にUSスチールの高炉を長期間維持することや、雇用や年金を守るといった内容を改めて説明した。
「(日鉄の)USWと組合員への約束には法的拘束力がある」と強調。一方、USWのマッコール会長が「交渉に応じていない」とするなど、USW執行部の対応に不信感を強くにじませた。
日鉄によるUSスチール買収は、結論が11月の米大統領選後に先送りされるとの見方が強まっている。