農林水産省は27日、外国債券の運用で巨額の損失を出した農林中央金庫(農林中金)について、資産運用の実態を検証する有識者会議の初会合を開いた。運用体制の見直しを促す狙いがある。農業や食品産業への投融資を拡大するための方策も議論。法改正も視野に年内の提言取りまとめを目指す。
農水省の杉中淳経営局長は会合で「将来に向けて農林中金の資産運用を分析し、課題を明らかにすることには意義がある」と強調した。
農林中金は2025年3月期の純損益が1兆5千億円規模の赤字となる見通しで、出資者の農業協同組合に増資を引き受けてもらうなどして24年度中に約1兆3千億円の資本増強を行うことにしている。