【モスクワ共同】10月26日投票の旧ソ連ジョージア議会選まで1カ月を切った。ロシアに接近する政権与党「ジョージアの夢」は、ロシア侵攻を受けるウクライナをやゆするかのような選挙広告キャンペーンを開始し、親欧州のズラビシビリ大統領や野党が反発する。
地元メディアなどによると、与党のテレビや街頭の広告は、西部の黒海沿いの保養地の町並みと、ロシアの侵攻で廃虚になったウクライナ南部マリウポリを対比する画像や「戦争反対、平和を選ぼう」との文言で、平和志向を訴えようとしている。
ウクライナ外務省は「戦争による人々の苦しみと流血を使った政治広告を非難する」と反発。ジョージアのコバヒゼ首相は「戦争と平和の比較は正しい選択のために重要だ」と正当化した。
ジョージアは2008年、同国領からの独立を主張した南オセチアを巡り、ロシアと軍事衝突し断交。ロシアは同様に独立を主張するアブハジアも国家承認し、両地域に軍を駐留させている。
ジョージアはEU加盟の目標を掲げるが、政権はウクライナ侵攻を批判せず、対ロ関係修復にかじを切った。