次世代半導体の国産化を目指すラピダスとプリンター大手セイコーエプソンは3日、北海道千歳市に新設する研究開発拠点の着工式を開いた。半導体の組み立てなどの「後工程」を研究する。ラピダスは2027年の量産開始に向けて弾みをつけたい考えだが、巨額の資金調達や技術確立といった課題もある。
新拠点は、ラピダスが千歳市に建設している工場に隣接するセイコーエプソンの事業所内に設ける。床面積約9千平方メートルのクリーンルームを備え、25年4月から製造装置などを導入。26年4月の研究開始を目指す。
半導体の製造工程には主に基板に電子回路を形成する「前工程」と、基板を細かいチップに切って樹脂のパッケージに収める「後工程」がある。新拠点では研究用の試作ラインを設け、後工程の自動化を含めた量産技術の開発を進める。
ラピダスが目指す回路線幅2ナノメートル(ナノは10億分の1)相当の半導体の量産には、5兆円規模の投資が必要とされる。資金調達以外にも先端技術を確立できるかどうかや、量産後の顧客獲得も課題とされている。