自民党は、派閥裏金事件で政治資金収支報告書に不記載があった議員らについて、衆院選では都道府県連の意向に沿って原則公認する案の検討に入った。4月の党処分で党員資格停止1年とした旧安倍派幹部2人は除外する。石破茂首相(党総裁)は党執行部らによる旧安倍派議員への聴取を調整しており、結果次第で一部を公認から除外する余地を残す。近く党幹部と協議を行い、最終判断する方針。関係者が4日、明らかにした。
共同通信が今月1~2日に実施した世論調査では、事件に関与した議員を衆院選で公認することを「理解できない」との回答が75.6%に上っており、世論の反発も考慮する。
自民党紀委員会は4月、旧安倍派・旧二階派幹部と、収支報告書に500万円以上の不記載があった衆参議員ら39人を処分。うち34人は「選挙での非公認」よりも軽い党役職停止や戒告だった。不記載額が500万円未満の議員ら45人は党紀委員会の処分を受けず、幹事長注意で終わった。党内では「衆院選で非公認とするのは一事不再理に反する」との反発が出ていた。