石破茂首相が自治体に配る地方創生の交付金を倍増させると表明したことに、地方側からは歓迎の声も上がる。だが増額によって、どう対策を進め、どのような効果を見込むのか具体像は見えない。政府内でも「倍増ありき」との声が広がる。
首相は4日の所信表明演説で、10年前に初代地方創生担当相に就いたことに触れ「これまでの反省と成果を生かし、地方創生2.0として再起動させる」と強調した。各地への支援強化に向け、当初予算ベースで交付金の倍増を目指すとした。
政府関係者は「倍増だけが突然決まった」と漏らす。交付金は例年、当初予算ベースで1千億円を計上。移住促進や子育て支援事業、地域産業振興などに使われてきたが、人口減少や地方からの若者らの流出は続く。
自治体の関係者は「倍増は歓迎だ」と評価。県庁所在地や政令指定都市でも人口減少に直面する中、別の関係者は「カネを配って解決するような段階ではない」と断じる。