旧優生保護法下の強制不妊手術を巡り、一連の訴訟に参加していない被害者らを対象とした補償法案は8日の参院内閣委員会で全会一致により可決された。補償金として手術を受けた本人に1500万円、配偶者に500万円を支払うことが柱。夕方の参院本会議で可決、成立する見通しだ。
国の責任を明確にするため、前文で「国会および政府は、憲法に違反する立法行為と執行の責任を認め、心から深く謝罪する」と明記した。本人や配偶者が死亡した場合、補償金は子や孫、兄弟姉妹といった遺族が受け取れる。
旧法に基づく人工妊娠中絶手術を強いられた人には、一時金として200万円を支給する。
被害者側が申請し、法施行から5年を請求期限とする。訴訟を経ないで迅速に対応するため、こども家庭庁に設ける審査会で被害を認定する。被害者の請求につなげるため、国と自治体は手続きを周知し、相談支援体制を整備する。
補償金の額を1500万円にしたことを踏まえ、訴訟に参加したものの賠償が1500万円を下回った被害者本人には、差額分を支払う。