筑波大発のベンチャー企業が「立ち乗り」専用の電動車いすを開発し、製品化を進めている。高い位置にある物を取るなど日常生活の行動範囲が広がるほか、立つ姿勢を維持してリハビリも期待できる。開発者は「利用者の生活の質が向上すれば」と期待する。
茨城県つくば市にあるベンチャー「Qolo」(コロ)は、筑波大で電動車いすを研究していた江口洋丞代表(35)らが2021年に設立した。大学研究や同大付属病院の知見を生かし、開発する。
膝と腰を押さえて立つ姿勢を維持し、ばねの力で体重を支える仕組みで、肘置きにあるハンドルを使い速度や方向を操作する。車輪が小さく小回りが利く点や、ばねの強弱を調整し体重40~90キロの人に対応できるのが特長という。
これまでに約40人が実証実験に参加し、26年の製品化を目指している。江口代表は「足が不自由な人が『立ち上がりたい』と思ったときの選択肢になりたい」と話した。