熊本城の石垣付近に日本最大級の人工雲海が出現―。観光客誘致に向け、熊本市が初実施する取り組みで、天守閣が純白の霧に包まれる幻想的な光景が訪れる人の目を楽しませる。11日から11月4日まで。毎日午前9時10分から午後8時半にかけて、30分ごとに城の古井戸の水を一部利用しミストを作る装置で雲海をつくり出す。
熊本城に沿って天守閣に向かう特別見学通路から眺めることができ、9日夕に実施された報道関係者向けのデモンストレーションでは、年代の異なる石垣が重なる「二様の石垣」を霧が包み込んだ。
日没後には雲海と天守閣が水をイメージした青色でライトアップされ、幽玄な音楽が流れる夜間限定の演出もお披露目された。
熊本城総合事務所復旧整備課の岩佐康弘課長は「熊本城の素晴らしさをグレードアップさせる試み。多くの人に見てもらえたら」と話した。
市によると、世界遺産・仁和寺(京都市右京区)などで行われている雲海を使ったライトアップイベントに着想を得て、3年間かけて構想を練ったという。