【台北共同】台湾の頼清徳総統は10日、「中華民国建国113年」を記念する双十節(建国記念日)祝賀式典で演説した。中国の統一圧力を念頭に「国家主権を堅持し、侵犯を許さない」と訴えた。民主進歩党(民進党)が少数与党である現状を踏まえ、台湾内部の「団結」も呼びかけた。
5月の就任演説と同様に、中華民国と中華人民共和国は「互いに隷属しない」と述べ、中台を不可分の領土とする「一つの中国」原則を認めない立場を強調。その上で「台湾海峡の平和と安定の現状」を維持する努力は変わらないと主張した。
中国とは「平和的共栄」を追求したいと表明し、対話と交流を展開したいと述べた。
台湾は1912年に南京で建国された「中華民国」を正式名称としており、この年を独自の暦の元年としている。
頼氏は5日の双十節の関連行事で、中華人民共和国よりも中華民国の方が歴史が長いとして「中華人民共和国は中華民国の人々の祖国にはなり得ない」と訴えた。
これに対し、中国国務院(政府)台湾事務弁公室報道官は8日、反発する談話を発表した。