米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡り、名護市の渡具知武豊市長は10日までに共同通信のインタビューに応じた。移設後の部隊の運用ルールを定める「基地使用協定」の締結に関し「ハードルは高いが、市民の不安を払拭し、生活環境を守るため引き続き政府と協議する」と語った。移設の是非については明確にしなかった。
渡具知氏は5月、首相官邸で開かれた工事に伴う生活への影響を話し合う協議会の初会合で、協定締結を要請。米軍機の飛行ルートの設定や、環境問題への対策を想定している。
一方「市民にはいろいろな感情があり、賛成や反対で割り切れるものではない」と述べ、移設を容認したわけではないとも強調した。
1999年、当時の岸本建男市長は基地使用協定や安全性確保など7条件を提示して移設を受け入れた。だが、2006年に現行のV字滑走路案に決まった後、使用協定の協議は立ち消えとなっている。
石破茂首相が日米地位協定の改定に意欲を示したことについては「改定も視野に取り組んでもらいたい」と期待した。