石破茂首相は12日、官邸で共同通信のインタビューに応じた。首相就任後にアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想や日米地位協定改定などの持論を封印したことによる変節批判に反論した。自民党の小野寺五典政調会長の下で議論を開始するとして「なぜ変節とのレッテルを貼るのか分からない」と述べた。自民派閥裏金事件に関係した前衆院議員の一部を衆院選で非公認とした対応に触れ、党改革への決意を示した。
自民執行部は、裏金議員15人を非公認とし、公認した前議員も比例代表との重複立候補を認めないと決定。これらの対応に関し「その選挙区の有権者の意思に委ねる。有権者の怒りを真摯に受け止めて審判してもらう姿勢自体が、自民が変わっていく一つの証左だ」と理解を求めた。
持論である米国との「核共有」検討は「意思決定プロセスのことを言っている」として、核兵器の所有権や管理権の共有を意味していないと説明した。核共有主張に対し、ノーベル平和賞に決まった日本原水爆被害者団体協議会から非難が上がっている現状を踏まえた発言だ。核廃絶に向けて、核兵器被害の悲惨さを世界に広げる取り組みが重要だとの認識を示した。