【ソウル、北京共同】韓国軍合同参謀本部は15日、北朝鮮が同日正午(日本時間同)ごろ、南北間をつなぐ道路の北朝鮮側の一部区間を爆破したと明らかにした。北朝鮮は9日、韓国との道路と鉄道を遮断し「障害物で要塞化する」と表明しており、その一環とみられる。韓国軍は対抗措置として軍事境界線の南側地域で警告射撃を行ったと発表した。
北朝鮮は韓国から無人機が平壌上空に飛来し「領空侵犯」したとも主張。軍事報復の可能性を示しているが、韓国も強硬姿勢を崩しておらず、情勢は緊迫化している。
韓国軍は、朝鮮半島の西側を走る「京義線」と東側を走る「東海線」の道路が爆破されたとし、土煙が高く噴き上がる映像も公開した。軍に被害はないとしている。
金正恩朝鮮労働党総書記は今年1月、憲法に韓国を「主敵」と明記するよう指示するなど敵視を強めている。
韓国と北朝鮮を結ぶ鉄道・道路連結は南北友好を象徴する事業の一つ。史上初の南北首脳会談が開かれた2000年の合意をきっかけに始まったが、関係悪化のたびに中断してきた。