15日公示された衆院選は2016年に「18歳選挙権」が導入されて以降、6度目の国政選挙となる。当初盛んだった模擬投票や政策比較といった主権者教育は、学校現場の働き方改革などの影響で次第に下火に。投票率も低迷が続く。専門家は、若者の政治参加を推し進めるには学校だけでなく家庭での環境づくりが欠かせないと指摘する。
国は、児童生徒に政党や候補者の主張を比較させたり、模擬投票を実施したりといった主権者教育を推進してきた。
神奈川県では10年以降、全国に先駆けてこうした取り組みを全ての県立高で実施。このうちの1校に勤務する30代の男性教諭は、地元の選挙管理委員会の協力を得て本番さながらの模擬投票に取り組んできた。
しかし効果はあまり表れず、若者世代の投票率は低迷。総務省によると、16年以降の5回の国政選挙で、60代の投票率が60~70%台だったのに対し、10~20代は30~40%台にとどまっている。
男性教諭は「周囲を見ても(主権者教育に)意欲が薄れてきているのを感じる」と打ち明ける。