与野党が27日投開票の衆院選を前に、SNS向けに数十秒にまとめた「ショート動画」による支持獲得に力を入れている。時間対効果を意味する「タイムパフォーマンス(タイパ)」を重視する風潮を踏まえ、スマホを頻繁に使う若年層に浸透を図る戦略だ。
自民党は、石破茂首相による福島県いわき市での第一声を素材に、60秒の縦型動画を作った。首相は普段、比較的ゆったりとしたテンポで語ることが多いが、画像は首相、有権者と次々に切り替わる。
立憲民主党は野田佳彦代表の30秒動画を作成した。「どんな国にしたいですか」と語る野田氏にカメラが徐々に近づき、最後は野田氏の顔が大写しになる。
公明党は、党のゆるキャラ「コメ助」がダンスする動画をユーチューブにアップした。社民党は福島瑞穂党首が「どっこいどっこい社民党」と繰り返す動画をまとめた。
ショート動画は、7月の都知事選で善戦した石丸伸二氏の陣営が積極的に活用した。野党関係者は「動画をきっかけに興味を持ってもらい、実際の得票につなげていきたい」と意気込んでいる。