【ワシントン共同】日米欧の先進国に新興国を加えた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は24日、ワシントンで2日間の討議を終え、共同声明を採択して閉幕した。声明は世界経済に関し、物価高を抑えつつ景気後退を回避する軟着陸へ「良い見通しを持っている一方、複数の課題が残る」と指摘。中東での紛争激化などが悪化リスクだと指摘した。
加藤勝信財務相は閉幕後の記者会見で、円安圧力が再び強まっている外国為替相場に関し、会議で「過度な変動に注意を払う必要がある」と主張したことを明らかにした。声明では、過度な変動が経済に悪影響を与えるとの過去の合意を再確認した。
日銀の植田和男総裁は会見で、円安進行による物価や金融政策への影響について、米経済の動向や米大統領選などを踏まえて「丹念に見極めていく」と説明。追加利上げを判断するための「時間的な余裕はある」と話した。
声明は、経済活動が世界的に「予想されていたよりも強靱だ」とした一方で、中長期的な成長見通しが「過去の平均を下回ることを懸念している」と警戒感を示した。