精神科病院の入院患者からの依頼で退院を請求した弁護士の事務所に報復として患者を置き去りにし、業務を妨害したとして、この弁護士2人が東京都足立区の「綾瀬病院」と院長を相手に、660万円の損害賠償を求める訴訟を25日までに東京地裁に起こした。
同病院を巡っては、訪問看護で法令に違反して診療報酬を請求していたことも判明している。同病院は「取材はお断りする」としている。
提訴は今年7月5日付。訴状によると、都内の弁護士2人は2022年、同病院に統合失調症で入院していた40代女性から「退院したい」との相談を受けた。退院に向け病院側と調整していたが、約2カ月間進展がなかったため、病院に伝えた上で精神保健福祉法に基づき、女性の代理人として都に退院請求した。
約2週間後、病院から突然「きょう退院させる」と弁護士事務所に連絡があり、院長らが女性を連れて事務所を訪問。「退院請求した責任を取ったらどうか」などと言い、女性を置いて立ち去った。
弁護士2人は病院の対応は不当で、業務妨害の損害を受けたとしている。