国内で地震や豪雨など大規模災害が相次ぎ、被災自治体がオーバーワークとなる事態が起きている。対策や支援のスピードは自治体によって差があるのが実情だ。衆院選では各党が自治体支援などを含めた防災の強化を公約に盛り込む。専門家は、どの地域でも同じように救助や支援が受けられることが重要だとし「政府の態勢強化と、自治体の防災対応の底上げが不可欠だ」と指摘する。
能登半島地震が発生した1月、石川県輪島市や珠洲市の市役所は消防や自衛隊、警察に加えて他自治体からの応援職員でごった返していた。部屋が足りずに廊下で作業するチームもあった。
大規模災害では、こうした応援の人員を送り込む仕組みはある一方で、被災自治体側で必要な業務に振り分ける指揮、調整が滞るという問題が指摘されてきた。慣れない業務の増加に加え、職員自身も被災して、負荷があまりに大きいためだ。