27日投開票の衆院選で、女性の当選者は前回2021年衆院選より28人増え、過去最多の73人となった。立憲民主党など野党を中心に新人が躍進。一方で、女性候補者を35%とする政府目標には、多くの政党が届いていない。識者は「各党が責任を持って候補者を開拓し、女性が立候補したいと思える環境整備を進めるべきだ」と指摘する。
「大きな期待の声、応援があった。身の引き締まる思い」。28日午前、東京8区で再選を果たした立民の吉田晴美氏は選挙戦を振り返った。女性議員が最多となったことについては「素晴らしい」と喜んだ。
女性当選者数を党派別に見ると、立民が最も多い30人。自民党19人、国民民主党6人と続き、日本維新の会、公明党、れいわ新選組が各4人で並んだ。共産党3人、参政党2人、日本保守党1人、社民党はいなかった。
三重大の岩本美砂子名誉教授(政治学)は「政権への批判が強い選挙では、与党の現職が落選し、女性をはじめ新人議員が生まれやすい」と指摘。「今回は地方議員経験がある候補も多かった」と分析した。