温室効果ガスを巡り、各国が現在掲げる2030年時点の排出削減目標を達成できても、削減幅は19年比2.6%にとどまり、産業革命前からの気温上昇を1.5度に抑える国際目標の実現に必要とされる同43%とは大きな隔たりがあるとの報告書を、国連気候変動枠組み条約事務局が28日公表した。
国連の気候変動に関する政府間パネルは、「パリ協定」が目指す1.5度目標の実現には30年に同43%減、35年に同60%減が必要とする。各国は35年以降の目標を来年2月までに策定して国連に提出することになっており、同条約のスティール事務局長は「(1.5度目標を実現する)明確な道筋を示す必要がある」と指摘した。