東北電力は29日午後、女川原発(宮城県女川町、石巻市)2号機の原子炉を起動し、再稼働させる。2011年3月11日の東日本大震災で高さ約13メートルの津波が襲い、原子炉建屋地下が浸水するなど被災した。再稼働すれば被災地に立地する原発として初めて。東京電力福島第1原発と同型の沸騰水型軽水炉(BWR)としても全国初となる。出力は82万5千キロワット。
東北電によると、29日午後6~8時ごろに原子炉内の核分裂を抑える制御棒137本を引き抜く作業を始め、原子炉を起動する。11月7日にも発電と送電を始め、12月ごろに営業運転の開始を予定している。
女川原発は東日本大震災の震源に最も近い原発。再稼働に向けた安全対策工事に13年5月に着手した。同年12月、原子力規制委員会に再稼働に向けた審査を申請し、20年2月に新規制基準に基づく審査に合格した。
一方、再稼働を巡っては石巻市民が21年5月、自治体が策定した避難計画に不備があるとして差し止めを求め仙台地裁に提訴。23年5月に請求棄却の判決が出たが、原告側が控訴した。