日本取引所グループ(JPX)の山道裕己最高経営責任者(CEO)は29日、東京都内で開いた記者会見で、傘下の東京証券取引所職員によるインサイダー取引疑惑について「市場関係者に迷惑と心配をかけ、おわびする」と謝罪した。自らの責任や処遇に関しては現時点で「私が責任を取りますとはなかなか言えない」とした上で、今後の「調査結果を踏まえて厳粛に対処したい」と述べた。
山道氏は、東証職員の疑惑が「市場の信頼を損なうものであると深刻に受け止めている」と強調。既に9月27日付で独立社外取締役による調査検証委員会を設置し、調査を進めていることも発表した。これまで公表してこなかった理由については、証券取引等監視委による調査に支障が出ないようにするためだと説明した。
調査検証委では、社員の教育研修や情報管理体制などに問題がなかったかどうかを調べる。JPXは結果を踏まえて内部管理体制の強化や再発防止の徹底を図る。
今回の疑惑で証券取引等監視委は東証社員を金融商品取引法違反(インサイダー取引)容疑で調査している。