【エルサレム共同】イスラエルメディアは29日、同国政府がレバノンの民兵組織ヒズボラとの戦闘を巡り、外交解決の可能性を協議したと報じた。ガラント国防相はヒズボラの戦闘能力が大幅に低下し、作戦の目標達成に近づいているとの認識を示した。だが強硬姿勢を崩さないヒズボラがイスラエルの停戦条件を受け入れる可能性は低く、戦闘終結は見通せない。
報道によるとイスラエルのネタニヤフ首相の腹心、デルメル戦略問題相はレバノン南部を流れるリタニ川以北へのヒズボラの撤退や、国境沿いでのレバノン軍の集中配備といった条件を提示した。イスラエルは避難生活を送る北部住民の帰還を戦闘の目標としている。いずれの条件もその達成に不可欠で、これまでの要求とほぼ変化はない。
イスラエル北部の軍基地を訪れたガラント氏は、ヒズボラが保有するロケット弾やミサイルは1年前と比べて大幅に減り、残り2割ほどだと説明した。
しかしイスラエル軍に殺害されたヒズボラの指導者ナスララ師の後継に就いたナイム・カセム師は、イスラエルとの対決姿勢を強調している。