競輪の男性選手から性的関係を強要されたとして、女性選手側が30日、男性や日本競輪選手会、競輪の実施団体JKAに慰謝料など約2100万円の損害賠償を求め、神戸地裁に提訴した。2023年1月に被害相談を受けた選手会は判断を回避。女性側が今年9月に再調査を求め、選手会は今月1日「同意がなかったとは言えない」として男性の不処分を女性側に通知していた。
訴状などによると、女性は関西地方の選手会支部所属だった21年10月、同支部の男性からキスや性的関係を強要されるなど、10件のハラスメントを受けたとしている。
女性は提訴後に記者会見し「私が世の中に訴えることによって、泣き寝入りしている方の背中を押してあげることができると思った」と話した。原告代理人の今西雄介弁護士は「競輪界の支配的な上下関係を理解しているはずの選手会が、両者を平等に見てしまっている」と指摘し「選手会としてあるまじき対応だ」と批判した。
選手会は「誠実に対応してきたが、訴状がまだ届いておらずコメントは差し控える」とし、JKAも「訴状が届いていない」とした。