哲学者ニーチェなどの研究で知られ、「新しい歴史教科書をつくる会」の初代会長を務めるなど保守論客としても活動したドイツ文学者の西尾幹二(にしお・かんじ)さんが1日午前4時2分、老衰のため東京都の病院で死去した。89歳。東京都出身。葬儀は近親者で行う。後日、お別れの会を開く予定。
東京大大学院修了後、西ドイツに留学。帰国後はニーチェやショーペンハウアーの翻訳や研究に取り組みながら、欧州体験を起点に西欧と日本を比較した文明批評を展開。保守派の論客として歴史問題や教育について活発に発言した。
「新しい歴史教科書をつくる会」の委嘱を受けて執筆した「国民の歴史」はベストセラーになった。