【ソウル共同】韓国の尹錫悦大統領が2022年5月の就任前日、政治ブローカーと交わした通話内容を最大野党「共に民主党」が暴露、同年の国政選挙に違法に介入したとの疑惑を提起し波紋を広げている。大統領府や与党は不正を否定するが、妻を巡る疑惑追及も受ける尹氏の支持率は就任後最低の19%に落ち込み、苦境が続きそうだ。
野党が10月31日公開した音声によると、尹氏は与党「国民の力」の金映宣元議員について、大統領選の時からよく働いてくれたとして「それ(公認)は金映宣にしてやれと(党に)言った」などと語っていた。金氏は翌日に公認が決まり、6月の補欠選挙で当選した。
野党は公務員の選挙介入を禁じた公選法違反の疑いが強まったと指摘。就任前日の尹氏が公務員に当たらないとしても、その後も公認作業に影響力を行使した可能性は極めて高いとの主張だ。
通話相手のミョン・テギュン氏は世論調査などを手懸ける政治ブローカーとされ、尹氏の妻金建希氏が政治に介入した疑惑にも絡む人物として耳目を集めている。