圧倒的な強さを見せてきたパ・リーグ王者の無残な結末だった。ソフトバンクは0―4の四回に野手最年長の36歳、柳田が2ランを放つのがやっと。前身のダイエーを含めて2003年以降、出場すると勝ち続けた日本シリーズで9度目にして「下克上」を許した。
敵地で2連勝と好スタートし、小久保監督は「三つは負けられる」と構えていた。しかし本拠地で思いも寄らぬ3連敗。一度失った流れを引き戻すことはできず、自慢の打線はシリーズ記録を更新する29回連続無得点と爆発力を欠いた。
本塁打と打点の2冠に輝いた4番の山川が16打席連続無安打と大不振。この日も一回2死三塁で3球三振に倒れ、先制機を逸した。これまで選手をある程度固定してきたが、今シリーズでは打順など選手起用でベンチの迷いも感じさせた。選手会長の周東が凡退し、ヘルメットをたたきつける姿もあった。
リーグ戦を独走し、クライマックスシリーズは無傷で突破。球団関係者は「ここぞの大一番を経験していない」と危惧していた。今季唯一ともいえる劣勢に立たされてから、反発力はなかった。