日産自動車と三菱商事が、自動運転や電気自動車(EV)の電池関連など次世代サービスでの協力を想定し、共同出資の新会社設立を検討していることが4日、分かった。2024年度中に折半出資で設立する方向で詰める。25年にも実証実験を始める。日産と三菱商事は3月、共同事業を検討すると発表していた。
三菱商事はホンダとEV関連事業で提携し、三菱自動車とも関係が深い。日産とホンダ、三菱自動車はEV開発で連携する方向だ。三菱商事と自動車3社の連合が、競争力強化に向け協力する構図が鮮明になってきた。
新会社は、公共交通機関が縮小する地方での自動運転サービスの提供や、EVの電池に蓄えた電力を家庭向けや災害時の非常用電源として活用する事業を探る。
日産は福島県浪江町や横浜市で、自動運転などの実証実験を推進してきた。三菱商事は長野県塩尻市などで人工知能(AI)を活用した効率的な公共交通サービスの展開を図ってきた。両社の知見を持ち寄って利便性向上につなげる。