中国が台湾を併合するために武力行使する「台湾有事」を題材にしたドラマ「零日攻撃 ZERO DAY」の制作が台湾で進んでいる。高橋一生さんら日本の俳優も出演。政治的なテーマで論争も起きる中、東京国際映画祭に併設された見本市「TIFFCOM」に制作陣らが出席し、「エンターテインメントの形で警戒を呼びかけ、戦争を防ぎたいという思いで制作した」と訴えた。
ドラマでは、中国人民解放軍が、台湾沖で消息を絶った偵察機の捜索名目で海上を封鎖。情報工作や、中国を支持する勢力の台頭など有事で想定される事態のほか、混乱の中での人間模様が緊迫感ある映像で描かれる。
7月に約17分の予告編がユーチューブで公開され、再生回数は190万を超えた。プロデューサー鄭心媚さんは、同種の映像作品はこれまでないとした上で、「危機に直面した時の、台湾の人たちの反応や選択を描きたかった」と話す。
一方、批判の声も。台湾紙、聯合報(電子版)によると、野党国民党側は、約10億円の制作費の4割以上が当局の補助金や投資であると問題視する。