小学6年と中学3年を対象にした全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果分析で、理科や算数・数学の正答率に男女差はほぼないのに、理数系科目が「好き」と答えた児童生徒の割合は、小中とも女子が男子より少ないことが分かった。
分析内容を文部科学省の専門家会議で報告した宮城教育大大学院の田端健人教授(教育学)は「男女差が顕著に出た」と指摘。男女ともに理数系科目への興味や関心を高めてもらうため「日常生活や社会とより結びついた学習内容にするなどの工夫が重要だ」としている。
2012~22年度学力テストのうち、理科のテストを実施した計4回分を対象に、理科と算数・数学の男女別平均正答率を調べた。その結果、いずれの教科も女子の平均正答率が男子より高いものの、実質的な差といえるほどの開きはなかった。
「理科の勉強は好きですか」との質問に「当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」と答えた割合は、小6では女子76.6%、男子82.9%。中3では女子58.8%、男子73.9%と、男女差がさらに開いた。