【ブリュッセル共同】欧州連合(EU)が、欧州の競争力強化に向けて、包括的な戦略を策定する方針を固めたことが5日、分かった。米中に対抗するため、経済のデジタル化に向けた投資を増やし、革新的なサービスを生み出すベンチャー企業を育てる。2025年6月までに、域内の経済活動を円滑にする欧州単一市場の進化に向けた道筋をまとめたい考えだ。
EUが8日にブダペストで開く非公式首脳会議で採択する宣言の草案を、共同通信が入手した。
草案では「EUは、世界の競争相手との間で、技術革新や生産性のギャップを埋めることが急務だ」と指摘。単一市場の発展は、技術革新や投資拡大の鍵になるとして、EU行政執行機関の欧州委員会にロードマップの策定を求める。欧州では各国の規制により、企業の成長を阻んでいるとの指摘がある。
脱炭素社会に向けては、産業ごとに円滑な移行ができるよう配慮しながら、次世代技術を育てる必要があると強調。欧州委には、産業競争力向上と雇用確保への戦略をまとめるよう要請する。