全国的に書店が減少し、店舗がない自治体もある中、図書館で本を販売する実証実験が来年度にも始まることが6日、分かった。図書館の利便性を向上させ、地域の人が本に親しむ機会を増やすことが狙い。
実証実験は、各地で図書館サービスを手がける図書館流通センターと出版取次大手の日本出版販売(日販)が、複数の図書館で行う予定。
図書館の貸出窓口とは別に、購入用の窓口を設ける。販売用の書籍を用意したり、図書館で読んで気に入った本を注文できたりする仕組みを整え、インターネット通販を利用しにくい児童生徒や高齢者が手軽に本を購入できるようにする。
実証実験にかかる費用は両社が負担するとしている。参加する図書館は選定中で、ニーズが確認できれば、仕組みを各地に広げたい考えだ。
文具や地元の野菜の販売なども想定しており、「図書館を活性化させ、地域の交流拠点になることを目指す。『図書館商店』のイメージ」(日販の担当者)という。書籍は、地元に書店がある場合はそこから仕入れる方針。