【ジュネーブ共同】北朝鮮の人権状況を審査する国連人権理事会の作業部会が7日、スイス西部ジュネーブで開かれた。北朝鮮への審査は5年ぶり。政治犯収容所での虐待や子どもを含む強制労働などの人権侵害が指摘されている。日本の尾池厚之駐ジュネーブ国際機関政府代表部大使は日本人を含む外国人拉致問題について「基本的人権の重大な侵害だ」と述べ、一刻も早く解決するよう求めた。
作業部会には北朝鮮のチョ・チョルス大使らが出席し、米国や韓国などが意見表明。ウクライナ侵攻を続けるロシアに北朝鮮が部隊を派遣したのを「明らかな国際法違反だ」とする声も上がった。作業部会は各国の意見を取りまとめ、北朝鮮への勧告を盛り込んだ報告書を13日に採択する。
北朝鮮は作業部会に提出した報告書で、法整備を進め、表現の自由は保障されていると強調。日米韓による敵視政策が北朝鮮の安全を脅かし、国民の生活改善を阻害していると主張した。
人権理は「普遍的審査」制度に基づき、国連加盟国の人権状況を数年ごとに検証しており、北朝鮮の審査は4回目。