2018年に「紀州のドン・ファン」と呼ばれた和歌山県田辺市の資産家野崎幸助さん=当時(77)=に覚醒剤を摂取させ殺害したとして、殺人罪に問われた元妻須藤早貴被告(28)の裁判員裁判が8日、和歌山地裁で開かれ、被告人質問が始まった。被告は野崎さん宅を初めて訪れた際の状況について「来てくれてありがとうと言われ、帯付きの100万円を渡された」と語った。
弁護側の質問に被告は、野崎さんと知り合った経緯について、知人女性から「お金持ちの男性に興味ある?」と言われ、紹介された別の男性を通じ、事件の約半年前に野崎さんと電話やメールでやりとりしたと述べた。
野崎さんの印象について「足腰が弱く、よちよち歩きだった」と振り返った。その後の野崎さんとの関係性について「お金をくれるしラッキーで、うまく付き合おうと思った」と供述。野崎さんから何度も求婚されたことを受け「毎月100万円ちょうだいと言った気がする」と話した。
裁判で被告は「殺していないし、覚醒剤を摂取させたこともない」と無罪を主張している。