文部科学省は8日、国が10兆円規模の基金を活用して財政支援する「国際卓越研究大学」の第1号として、東北大(仙台市)を認定した。公募では東京大や京都大など10校が申請したが、昨年8月に東北大だけが認定候補に選ばれていた。所定の手続きを経て助成が始まり、初年度となる2025年度分は百数十億円になる見込み。
国際卓越大は、政府が拠出する大学ファンド(基金)の運用益で、世界最高水準の研究力を目指す大学を支援する制度。最長で25年間、助成を受けられる。政府は24年度内に2回目の公募を始める予定で、最終的には東北大を含め数校を認定する。
東北大は、国際化や活力のある研究体制の整備など六つの目標を掲げ、体制強化に向けた19の戦略を示した。教授を筆頭とする従来の講座制から、1人の研究者がテーマごとにユニット(研究チーム)をつくり野心的な研究に挑戦できる仕組みに変える。民間企業との共同研究で得られる収入を約10倍にしたり、留学生比率を増やして学内の国際化を進めたりする方針も掲げた。