第一生命保険が新卒採用活動で、入社5年以内に海外で勤務できるようにするのを確約する枠を新設したことが8日、分かった。売り手市場で人材争奪戦が激化しており、語学力に優れた学生を確保する狙いだ。1期生として来年4月に数人が入社予定で、将来的に海外事業の戦略立案を担うようなエースとして育成する。
生保業界では珍しい取り組みで、業務や部署が希望通りにならない「配属ガチャ」を理由とする若手社員の早期離職が社会問題化していることも背景にある。
新設した枠は「海外コース」。英語検定試験のTOEICで800点以上に相当する英語力や異文化への理解が求められる。
対象社員は入社後4年程度かけて経営企画やIT、リスク管理といった国内の関連部署で必要な知識を身につけた上で海外での研修や駐在に向かう。勤務場所は全世界の拠点が対象でまず5年程度滞在する。その後も国内外で海外事業を担う。
金融機関では従来、複数の業務を経験しながらキャリアを形成するのが一般的だったが、海外事業志向の学生向け採用枠新設が相次いでいる。