1995年の阪神大震災をきっかけに被災者支援を続けてきた俳優の堀内正美さん(74)が8日、活動の足跡を記録した自伝本を出版した。来年1月17日で震災発生から30年。被災者の困難な状況や復興に向けた歩み、「生き残るための知恵」を後世に伝えたい。そして災害に備える一助になればと筆を執った。
震災当時、神戸市北区に住んでいた堀内さん。自宅周辺の被害は少なかったが、海側の地域での被災状況は厳しく、一つのおにぎりを家族で分け合う姿を目にした。遠方からタンクローリーで水が届く状況だったが、北区などから水や食料を運ぶような動きは限定的だったと振り返る。
自分にできることは何かと自問した堀内さんは震災の約1週間後、市民ボランティア・ネットワークを設立。延べ千人のボランティアを避難所に送り、物資を届けた。仮設住宅エリアでの自治会結成や見守り活動にも力を注ぎ、被災した人たちを巻き込みながら「それくらいならできるかも」と思えるような活動の輪を広げていった。
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