長野県小諸市の文房具店「万年堂」の看板猫2匹が人気だ。猫がデザインされた文房具も多数扱っており、2匹のグッズ販売も好調。最近は、交流サイト(SNS)での発信を見た海外からの客も訪れている。(共同通信=橋本圭太)
2匹はともに雌で「店長」シマ子(推定13歳)と「インターン」のシポ子(3歳)。出入り口前の丸椅子の上で客を出迎え、足元にすり寄る。従業員の才川祥子さんはその様子を笑顔で見守る。
才川さんによると、猫を飼うようになったのは十数年前だ。裏にある倉庫に1匹の野良猫が遊びに来たことがきっかけだった。餌をやると毎日来るようになり、トラ子と名付けて飼い始めた。
シマ子が店に来たのは2011年秋。まだ子猫で、弱った姿でいるのを従業員が市内の路上で見つけた。近くに親猫の姿もなく、連れ帰った。
それからはトラ子を店長、シマ子を「受付嬢」と呼んだ。「猫がいるから」と猫デザインの文房具をそろえるようになり、いつしか客から「にゃん年堂」と親しまれるようになった。
2016年にツイッター(現X)を始め、店番の様子を発信した。投稿を見た客が沖縄や熊本など遠方から来るようになり、今では台湾、韓国、フランスといった海外客も珍しくない。
トラ子が2017年に死ぬと、シマ子が店長に昇格。「1匹じゃシマ子が寂しい」と従業員が21年に迎え入れた保護猫がシポ子だ。2匹の写真を印刷したクリアファイル(200円)などのグッズは数年前から販売する。
2匹は棚に座ったり、商品の間から顔を出したりと自由気ままだ。才川さんは「初めて来た人も何度も通ってくれるようになる」と「業績」を評価した。