日銀が10月30、31日に開いた金融政策決定会合で、現在の局面では大幅な金融緩和は必要ではなく「米国経済の動向を確認するために一時的に様子見した後、追加的な利上げを展望していく状況と言える」との意見が政策委員から出ていたことが11日、分かった。日銀が会合の「主な意見」を公表した。
10月会合では、0.25%程度とする現行の政策金利の水準を維持。委員からは、経済や物価が想定通りなら追加利上げするという基本的な方針を「しっかりと発信していくことが重要だ」との指摘もあった。
一方、利上げによる「金利のある世界」への移行には相応の不確実性もあり、今後の利上げは「時間をかけて慎重に行う必要がある」との声も出た。賃金と物価がそろって上がる循環が持続するとの自信が強まるまで「当面、政策金利は維持でよい」とする意見もあった。
植田和男総裁は会合後の記者会見で、これまで用いていた「時間的余裕がある」との表現は使わないようにすると説明。市場では年内最後となる12月会合での利上げを予想する声が多くなっている。