財務省が11日発表した2024年度上半期(4~9月)の国際収支速報によると、海外とのモノやサービス、投資の取引状況を示した経常収支は15兆8248億円の黒字で、年度の半期ベースで過去最大となった。歴史的な円安を背景に海外投資の利子収入などが膨らみ、全体の黒字をけん引した。
円安が輸入額を押し上げ、輸出から輸入を差し引いた貿易収支の赤字額は2兆4148億円となった。前年同期から1兆円超拡大した。
輸出は前年同期比5.0%増加して52兆2222億円。中国向けの半導体製造装置などが伸びた。輸入は7.1%増加して54兆6369億円だった。原油と液化天然ガス(LNG)に加え、パソコンやサーバー関連も増えた。
投資に伴う利子や配当のやりとりの動向を示す第1次所得収支は22兆1229億円の黒字で、過去最大。海外子会社から得る配当のほか、債券の利子が増加した。
旅行などを含むサービス収支は1兆9748億円の赤字で、赤字幅は縮小した。
9月の経常収支は1兆7171億円の黒字で、20カ月連続の黒字となった。