大学進学などのために日本学生支援機構の貸与型奨学金を利用した人の半数近くが、返済が「日常的な食事」に影響していると感じていることが13日、労働者福祉中央協議会の調査で分かった。「医療機関の受診」に影響しているとした人も4割近くに上った。協議会は、所得に応じた無理のない返済制度や、救済制度の拡充を求めている。
教育費負担などに関するインターネット調査を6月に実施し3千人が回答。このうち同機構の貸与型奨学金を利用していた657人に、生活設計への影響などを尋ねた。
返済が「結婚」「出産」「子育て」に影響していると答えた人も、それぞれ4割前後いた。いずれの項目も、影響しているとした人の割合は2022年の前回調査より増えた。
受け取った奨学金の総額は平均344万9千円。返済状況は、現在返済している人が60.3%で、返還猶予制度を利用中13.1%、延滞中3.3%などだった。年齢別では、40~45歳で返済を終えた人は3割に満たなかった。