セブン&アイ・ホールディングスは13日、創業家側から買収提案を受けたと発表した。自社買収(MBO)で株式を非上場化することで、カナダのコンビニ大手アリマンタシォン・クシュタールからの買収提案に対抗する狙いがあるとみられる。創業家以外から資金が集まるかどうかが焦点で、セブン買収を巡る攻防は新たな局面を迎えた。
売上高が10兆円を超える企業のMBOが実現すれば異例だ。自社買収額は6兆円を超え、過去最大となる公算が大きい。クシュタールは総額7兆円規模の買収提案をしており、これに対してセブン&アイは消極的な姿勢を見せている。
買収資金の調達手段として創業家の伊藤家による出資のほか、大手銀行からの融資が想定されている。出資企業には伊藤忠商事も取り沙汰されている。銀行が巨額融資に応じられるのかなど、実現に向けた課題は多い。
セブン&アイは同社の特別委員会で対応を協議している。スティーブン・ヘイズ・デイカス委員長は「潜在的な株主価値の実現のため、全ての選択肢を客観的に検討している」とコメントを出した。