障害者が雇用契約を結んで働きながら技能を身に付ける「就労継続支援A型事業所」の閉鎖が今春から全国で相次ぎ、3~7月に少なくとも4279人の障害者が解雇されたことが14日、厚生労働省の実態調査で分かった。障害福祉サービスの対価として国が事業所に支給する報酬を4月の改定で引き下げたのが要因。厚労省が社会保障審議会部会に示した。
解雇したA型事業所の経営状況は大半が赤字だった。障害者の年間解雇者数は、一般企業なども含めて最多だった2001年度の4017人を上回る見通しだ。
4279人は、いずれもA型事業所で働いていた。うち949人は8月末までに再就職先が見つからず求職活動中だった。936人は企業や他のA型事業所などに再就職し、2073人は雇用契約を結ばずに働く「B型事業所」に移ることが決まった。
A型事業所は7月末時点で約4470カ所あり、障害者約8万7200人が利用。共同通信が8月に行った調査では3~7月に329カ所が閉鎖され、約5千人が解雇や自主退職となった。