大分市の一般道で2021年、時速約194キロで乗用車を運転し右折車と衝突、男性会社員＝当時（50）＝を死亡させたとして、危険運転致死罪に問われた男性被告（23）の裁判員裁判が15日、大分地裁であり、検察側は懲役12年を求刑した。弁護側は同法違反の過失致死罪適用を主張し、結審した。判決は28日。
検察側は危険運転が認められなかった場合の予備的訴因とした過失致死罪については懲役5年を求刑した。
検察側は論告で時速194キロで走行した場合、道路の凹凸などによってハンドルやブレーキ操作のミスから進路を逸脱する可能性があり、制御困難だったと指摘した。交通量調査の結果で付近の交差点では右折車の数が直進車より多く、右折車を想定できる道路だったとも述べた。
弁護側は最終弁論で制動を失わずに直線走行できていたと反論。被告は事故で手術が必要な重傷を負っており、負傷してまで他の車を妨害する意図はなかったと訴えた。
被告は「甘い考えで身勝手な行動をしたことに後悔の気持ちでいっぱい」と最終陳述し遺族に謝罪した。