世界遺産級の価値があるとして、保存要望が相次ぐ北九州市の初代門司駅遺構を巡り、同市が今月下旬にも取り壊しを始める方針であることが15日、分かった。市は同日、跡地に建設予定の複合公共施設の建設に向けて造成工事を開始した。
初代門司駅は1891年に開業、当初は門司―博多間を蒸気機関車(SL)で結んだ。国の重要文化財で、現役の門司港駅が建てられる1914年まで使われていた。
市によると、8月に始めた追加の発掘調査は今月13日に終えた。造成工事の範囲は約5400平方メートル。2週間ほどかけて作業事務所や仮囲いを設置し、その後遺構の取り壊しに着手する。方法は検討中という。