不登校を経験した高校生は経験していない生徒と比べ、音といった周囲の刺激や他人の気分に対する感受性がより高いことが、畿央大(奈良県広陵町)の高田恵美子教授(学校保健学)らの調査で分かった。不登校の高校生は2023年度、6万8770人で過去最多。背景に生徒の感覚過敏がある可能性があり、学校環境の改善など支援の充実が期待される。
調査は、「感覚処理感受性」(感覚への敏感さ)を測る既存の尺度を使用。今年6~9月、奈良県内の高校や不登校の家庭を支援する「親の会」などを通じてアンケートを配布し、高校生47人(うち29人が不登校経験あり)が回答した。
「大きな音で不快になるか」「他の人の気分に左右されるか」などの質問に「非常に当てはまる」から「全く当てはまらない」まで7段階で回答を求めたところ、不登校を経験した生徒は、経験のない生徒と比べ、感覚過敏の傾向が明確に高くなった。
一方「美術や音楽に深く感動するか」「微細で繊細な香りや味などを好むか」など「美的感受性」に関する質問は明らかな差は見られなかった。